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SHIBUYA EGGS SAYONARA CITY HALL 

Date:2015.10.25(Sat) - 2015.11.03(Tue)

Sibuya city hall, Tokyo

 

 

シブヤのタマゴ「SPACE TRIP」展示作品について                須藤美沙 Misa Sudo 

 

 私は宇宙に興味があり、NASAのハッブル等の宇宙望遠鏡が撮影した色鮮やかな写真を見るのが好きです。こんなカラフルで美しい世界が本当にあるのだと信じていましたが、実はそうではないということを数年前にはっきりと認識しました。この宇宙の写真の中には目に見える光だけでなく、目に見えないもの、赤外線や紫外線等の光が研究者の手によって着色され、あたかも事実のように映し出されています。私はこの過程に着目したことから『目に見えている世界だけが唯一の真実ではない』ということについて考えながら作品を制作しています。

 

■Book ( SPACE TRIP ) 2015 classico tracing paper 29.7×46.0cm​

 SPACE TRIP(宇宙旅行)を特集した架空の本をモチーフにした作品である。本を閉じている時はその中身や裏側は見えない。本を閉じた状態で表紙からプッシュピンを刺し、本の中にある情報や知識を貫いて、裏側の見えない世界へ繋がるように穴をあける、そんな感覚で作り上げた。描かれた渦巻銀河の図像はNASAのハッブル宇宙望遠鏡が撮影した写真をもとにした。この渦巻銀河NGC6503は私たちの住んでいる天の川銀河から遥か彼方の1800万光年離れた場所に存在しているという。カラー写真の色には写っているものが真実であると思い込ませてしまう力があると思い、色彩情報を無くし、モノクロームで表わすことによって一般に刷り込まれたイメージとは異なる印象に仕上げている。 *光年=光が1年間に進む距離をあらわす単位

 

■Book ( SPACE TRIP ) 2015 red paper 21.0×30.7cm

 SPACE TRIP(宇宙旅行)を特集した架空の本をモチーフにしたシリーズ作品である。表紙にはStarburst galaxy(スターバスト銀河)をプッシュピンで描いた。スターバスト銀河では別の銀河が衝突したことにより明るく美しい星が爆発的に生み出される。この活発に新しい星が生まれる場所と、今まさに取り壊され生まれ変わろうとしている渋谷区庁舎のイメージとが重なった。表紙にはハッブル宇宙望遠鏡がとらえた1億光年彼方の銀河NGC7714の画像をもとにして描き、裏表紙には星形成が進む巨大な星雲NGC3603を描いた。

 紙に穴をあけてその裏から光を通すと、表には無数の星や星雲が輝き画像が見える。作品の表側だけでなく裏側の見えない面について意識させる。穴をあけることで、見えるものだけでなく見えないものについても考えることのできる作品にしたいと思っている。