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Misa Sudo Solo exhibition  SPACE TRIP

Date:2016.05.07(Sat) - 2016.05.22(Sun)

S.Y.P art space

photo : Ken Kato

 

「SPACE TRIP」展示作品について                                                                              須藤 美沙 Misa Sudo

 

 

 私は宇宙に興味があり、NASAのハッブル等の宇宙望遠鏡が撮影した色鮮やかな写真を見るのが好きです。こんなカラフルで美しい世界が本当にあるのだと信じていましたが、実はそうではないことを数年前にはっきりと認識しました。この宇宙の写真の中には目に見える光だけでなく、目に見えないもの、赤外線や紫外線等の光が研究者の手によって着色され、あたかも事実のように映し出されています。私はこの過程に着目したことから『目に見えている世界だけが唯一の真実ではない』ということについて考えながら作品を制作しています。

 

 今回の展示では、「SPACE TRIP(宇宙旅行)」を特集した架空の本をモチーフにした作品を中心に発表します。会場であるS.Y.Pを宇宙船に見立て、展示空間を構成しています。NASAのハッブル宇宙望遠鏡等が撮影した写真をもとにして、紙にプッシュピンを用いて穴をあけて描いています。紙に穴をあけてその裏から光を通すと、表には無数の星や星雲が輝き画像が見え、作品の表側だけでなく裏側の見えない面について意識させます。

 「SPACE TRIP」のシリーズ作品は、架空の本の中にある情報や知識を貫いて、裏側の見えない世界へ繋がるような感覚で作りました。また、色数を減らし、単色で表わすことによって一般に刷り込まれたイメージとは異なる印象に仕上げました。目に見えるものだけでなく見えないものについても考えたり、思いを馳せたりすることのできる作品にしたいと思っています。                                      

 

 

 Chandra X-ray Observatory   2015  pencil and graphite on wood panel  41.0×41.0cm

 チャンドラ線観測衛星(略して)は、ハッブルとならびの「偉大なる天文台計画」の3番目にあたる観測衛星である。高感度の線センサーで超新星やブラックホールなどの謎を解いている。暗闇の中を漂うを鉛筆で描いた。

 

 Book ( SPACE TRIP “Into Colorful Galaxy”)      2015  classico tracing paper  29.7×46.0cm

 宇宙旅行を特集した架空の本をモチーフにした作品である。本を閉じている時はその中身や裏側は見えない。本の扉を開くと、裏側にあって見えない未知の世界へと誘われる。描かれた渦巻銀河は私たちの住んでいる天の川銀河から遥か彼方の万光年離れた場所に存在しているという。*光年=光が1年間に進む距離をあらわす単位

                            

 Book ( SPACE TRIP “Supernova Remnant Like a rainbow flash”)  2016  paper(star dream -FS)  29.7×46.0cm

 表紙には、白鳥座ループと呼ばれる「(超新星残骸)」の部分を、開いたページには白鳥座ループの全体像をプッシュピンで描いた。恒星は「超新星爆発」をしてその一生を終える。「超新星残骸」とはその爆発の痕跡であり、やがて宇宙の闇に溶けてゆく。超新星爆発の凄まじい爆風によって物質同士が衝突し、新しい星の誕生が促されるという。モチーフにした写真は、虹のようにカラフルで力強く輝いているように見え、魅力的であった。穴をあけて描くことで、網状星雲の絡み合う様子がくっきりと浮かび上がってきた。

 

 PC ( Milky Way Galaxy )    2016  paper(star dream -FS)  32.4×46.4cm

 インターネットでリサーチをしていると、最初の目的から離れて、いつの間にか遠く離れた場所に行き着いてしまうことがある。ネットの世界は、過去も現在も、未来も繋がっていて、まるでどこまでも広がる宇宙空間のようだ。広大な宇宙の中で、私たちの住む天の川銀河はいまどんな姿をしているのだろう。作品5とあわせて、アクリルボックスの引き出しに展示した。この引き出しは漫画ドラえもんの四次元の世界への入口となっているあの引き出しのイメージで設置した。

 

 DVD supplement   2016  paper(star dream -FS)  12.5×14.2cm

 架空の本「SPACE TRIP」の付録。おおいぬ座の中に存在する2つの渦巻銀河が衝突し、新たな星を生み出している。X線撮影を得意とするCXOの活躍により明らかになった。12cmの円盤には星形成の様子や宇宙の神秘が詰まっている。

 

 Door ( CXO )   2016  video 141.0×141.0cm

 宇宙船の船内と船外を結ぶ出入口をイメージしてつくった映像作品。船の揺らぎを感じられるように、鉛筆で描いたCXOがゆっくりと動いて見えるようにした。作品サイズは、国際宇宙ステーション (ISS) 「きぼう」宇宙実験棟の与圧部側の扉のサイズ141cmをヒントにしている。

 

 Book ( SPACE TRIP “New generation of stars”)  2016  paper(Gmund color matte –FS)   21.0×30.7cm

 天の川銀河の中にあるカリーナ星雲は、地球から7500光年の距離にある。その中にはトランプラー14と呼ばれる散開星団があり、数百の比較的若い星々が集った領域がある。星が密集しているところに赤ちゃん星が生まれる。暗いところに隠れた何かがあると、天文学者から聞いたことがある。表側は逆光により暗い印象に、裏側に当てた光が反射してピンク色に輝き広がるようにした。表紙にはトランプラー14を、裏表紙にはカリーナ星雲を描いた。

 

 Book ( SPACE TRIP “Light of the Early Galaxy”)  2016  paper(Gmund color matte –FS)   21.0×30.7cm 

 ハッブルはスピッツァー宇宙望遠鏡と共同で赤外線により宇宙初期に星が作られ始めた銀河を捉えている。表紙はその画像を、裏表紙には高性能なカメラにより可視光で撮​​影した画像をモチーフにしている。作品「Book ( SPACE TRIP “New generation of stars”)」同一空間に飾ることにより、宇宙のはじまりや誕生について考えられる場にしたいと思った。